コンタクトレンズは眼瞼下垂の発症を招く?ハードコンタクトによる眼瞼下垂の発症を防ぐ方法などを解説!

ハードコンタクトレンズを使用している方は、眼瞼下垂に対する警戒が必要です。もし「瞼が重く感じる」「上の視界が見づらい」といった症状があるなら、それは眼瞼下垂の兆候の可能性があります。このような症状が現れた場合は、早めに当院までご相談ください。

本ページでは、眼瞼下垂とハードコンタクトレンズの関係について詳しく解説しています。ぜひ、参考としてご一読ください。

ハードコンタクトレンズの使用が眼瞼下垂の原因に?

近年、コンタクトレンズが原因で眼瞼下垂を発症するケースが増えています。特に、ハードコンタクトレンズの長期使用者は、眼瞼下垂のリスクが高いとされています。

とはいえ、「ソフトコンタクトレンズなら安全」と言い切れるわけではありません。どちらのタイプでも、瞼に過度な負担をかけ続けることが眼瞼下垂を引き起こす原因となる可能性があります。

ハードコンタクトレンズが眼瞼下垂を引き起こす原因

ハードコンタクトレンズが眼瞼下垂を引き起こす原因について、気になる方も多いでしょう。主な理由には以下の3つが挙げられます。

  • 瞼の開閉に負担がかかる
  • 瞼の筋肉や腱にストレスがかかる
  • 炎症による影響

それぞれの理由について、詳しく解説していきます。

瞼の開閉に負担がかかる

ハードコンタクトレンズが眼瞼下垂を引き起こす主な理由は、レンズの厚さが瞼に負担をかけるためです。ソフトコンタクトレンズに比べて、ハードコンタクトレンズは硬く、厚みがあるため、眼瞼下垂のリスクが高くなります。

コンタクトレンズに慣れると、その硬さや厚みを意識しなくなることがありますが、レンズを装着した状態でまばたきを繰り返すと、瞼が内側から圧迫されます。この動作が繰り返されることで、瞼に負担をかける原因となるのです。

瞼の筋肉や腱にストレスがかかる

ハードコンタクトレンズが眼瞼下垂を引き起こす原因の1つは、瞼を引き上げるための筋肉や腱にストレスがかかることです。コンタクトレンズを装着する際、瞼を引き上げる必要がありますが、この動作が筋肉に過度のストレスを与えるため、眼瞼下垂に繋がる可能性があります。

炎症による影響

ハードコンタクトレンズが眼瞼下垂の原因になる一因として、炎症の発生が挙げられます。瞼に炎症が起こる主な理由は以下のとおりです。

  • 目の中に異物を入れることによる刺激
  • レンズの衛生管理が不十分で細菌が繁殖した場合
  • 汚れた手でコンタクトレンズに触れることによる感染

ハードコンタクトレンズは2~3年使用できる耐久性がありますが、適切なケアを怠ると炎症のリスクが高まり、それが眼瞼下垂に繋がる可能性もあります。

ハードコンタクトレンズによる眼瞼下垂の予防法

加齢による眼瞼下垂は避けられませんが、ハードコンタクトレンズが原因の場合は予防できる可能性があります。瞼への負担を減らすために、次のような対策を取り入れてみましょう。

  • レンズの装着時に専用のスポイトを使用する
  • ソフトコンタクトレンズに変更する
  • ワンデータイプのレンズを選ぶ
  • 目や瞼を適度に休ませる

それぞれの方法について詳しく解説していきます。

コンタクトレンズの装着時に専用のスポイトを使用する

ハードコンタクトレンズを外す際は、専用のスポイトを使うのがお勧めです。スポイトを使用することで、以下のようなメリットがあります。

  • 瞼に触れる回数を減らせる
  • 化粧品の汚れがレンズに付着しにくい

瞼を頻繁に擦ると、負担がかかりやすくなります。また、化粧品の汚れがレンズにつくと、炎症を引き起こす原因にもなりかねません。スポイトを活用すれば、こうしたリスクを軽減できます。

ソフトコンタクトレンズに変更する

ハードコンタクトレンズによる眼瞼下垂を防ぐ方法の1つとして、ソフトコンタクトレンズへの切り替えが挙げられます。

ソフトコンタクトレンズは柔らかく薄いため、瞼の筋肉にかかる負担を軽減できます。ハードコンタクトレンズに比べるとコストはやや高くなりますが、眼瞼下垂のリスクを減らす有効な対策となります。

ワンデータイプのレンズを選ぶ

ハードコンタクトレンズの使用による眼瞼下垂を防ぐ方法として、ワンデータイプのソフトコンタクトレンズを選ぶのも有効です。

ハードコンタクトレンズは長期間使用できるメリットがありますが、手入れが不十分だと汚れが蓄積し、不衛生な状態になりやすくなります。レンズが汚れていると炎症の原因となり、眼瞼下垂のリスクを高める可能性があります。

ワンデータイプのソフトコンタクトレンズなら、毎日新品を使用できるため衛生的です。手入れの手間がなく、炎症のリスクを抑えられる点も大きなメリットと言えるでしょう。

目や瞼を適度に休ませる

ハードコンタクトレンズだけでなく、ソフトコンタクトレンズを長時間使用している場合も、目や瞼への負担は蓄積していきます。視力矯正のために使用している方だけでなく、カラーコンタクトレンズをおしゃれ目的で着けている方も注意が必要です。

コンタクトレンズを毎日使用すると、瞼の筋肉に負荷がかかり続け、眼瞼下垂のリスクが高まります。負担を減らすためには、できるだけ使用時間を短縮したり、メガネと併用したりする工夫が大切です。意識的に目を休ませる時間を作ることで、健康な瞼を保ちやすくなるでしょう。

ハードコンタクトレンズ以外で眼瞼下垂を招く原因

眼瞼下垂の原因は、ハードコンタクトレンズだけに限らず、次のような原因も考えられます。

  • 加齢
  • 生活習慣
  • 外傷
  • 先天性(生まれつき)
  • 疾患

以下で、それぞれの原因について詳しく解説していきます。

加齢

眼瞼下垂の原因の約90%は、加齢に伴う皮膚のたるみや筋肉の衰えです。このタイプの眼瞼下垂は「老人性眼瞼下垂」とも呼ばれ、主に40代以降で認められますが、特に60歳を超えると発症のリスクが高まります。

一方、10~30代の若い世代では、加齢が原因で眼瞼下垂を発症することはほとんどありません。しかし、瞼への負担が積み重なることで、年齢に関係なく症状が現れることもあります。

生活習慣

日常生活で瞼に過剰な負担をかけると、眼瞼下垂のリスクが高くなります。特に以下の行動は瞼に負担をかけやすいとされています。

  • 長時間のコンタクトレンズ装着(特にハードコンタクトレンズ)
  • アイプチやアイテープの使用
  • 濃いアイメイクやまつ毛エクステの使用
  • 花粉症やアトピー性皮膚炎で、瞼を掻いたり擦ったりする癖

これらの習慣が繰り返されることで、瞼への負担が蓄積し、挙筋腱膜(瞼を持ち上げる筋肉の腱)が緩んだり外れたりすることがあります。その結果、眼瞼下垂を発症する可能性があります。

外傷

瞼に外的なダメージを受けると、眼瞼下垂を引き起こすことがあります。これを「外傷性眼瞼下垂」と呼び、次のようなケースが該当します。

  • 交通事故やスポーツ中の衝撃によるケガ
  • 緑内障や白内障の手術による影響

瞼を負傷すると、腫れや出血によって一時的に開きづらくなることがあります。この場合、腫れが引けば元の状態に戻ることもありますが、瞼を持ち上げる筋肉や神経が損傷すると、手術が必要になることもあります。

先天性(生まれつき)

生まれつき瞼が開きにくい「先天性眼瞼下垂」は、以下のような原因によって発症すると考えられています。

  • 瞼を持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が正常に発達していない
  • 瞼を動かす神経に異常がある

先天性眼瞼下垂は、視力の発達にも影響を与える可能性があるため、適切な治療が必要です。手術のタイミングや方法は、瞼の状態や視力の発達を考慮しながら慎重に検討されます。

疾患

瞼以外の疾患が原因となって、眼瞼下垂が起こることもあります。

以下が主な原因疾患となります。

  • 重症筋無力症
  • ミトコンドリア脳筋症
  • 脳梗塞
  • 脳動脈瘤

眼瞼下垂が疾患によって起きている場合、その疾患の治療を優先して行います。

眼瞼下垂の治療方法

眼瞼下垂の治療には、内服薬や注射はあまり効果がないため、基本的には手術が必要です。目は見た目だけでなく、視力にも大きな影響を与える重要な部分であるため、手術方法はクリニックや医師によって異なります。当院では、保険適用となる「機能的な問題を抱える眼瞼下垂」に対して手術を行っています。

以下では、眼瞼下垂の主な手術方法について解説します。

挙筋前転術(きょきんぜんてんじゅつ)

挙筋前転術は、腱膜を瞼板に固定する手術です。まず、上瞼を切開して、たるんだ腱膜や筋肉を前方に引き寄せます。その後、糸を使って腱膜を瞼板にしっかり縫い付けることで、腱膜のたるみが解消されます。この手術により、上眼瞼挙筋の力が瞼板に十分に伝わり、瞼がしっかりと開くようになります。

※当院では筋肉性の眼瞼下垂への手術は行っておりません。診断の結果、難しい症例の治療が必要な方は近隣の大学病院を紹介いたします。

前頭筋吊り上げ術(ぜんとうきんつりあげじゅつ)

上眼瞼挙筋の機能が著しく低下し、挙筋前転術での改善が難しい重度の眼瞼下垂症に対して行われる手術です。この手術では、太ももの筋膜や糸を使用して、瞼板と額の筋肉を繋げます。これにより、眉を上げる動作により、額の筋肉を使って瞼を開けるようになります。

※当院では筋肉性の眼瞼下垂への手術は行っておりません。診断の結果、難しい症例の治療が必要な方は近隣の大学病院を紹介いたします。

余剰皮膚切除術(びもうかよじょうひふせつじょじゅつ)

上瞼に余った皮膚や弛んだ部分を取り除く手術です。この手術では、上瞼の皮膚を切除する場合と、眉毛下の皮膚を切除する方法があります。立ったり座ったりした状態で皮膚の余り具合を確認し、適切な量を決定した上で切除を行います。また、眼輪筋を一緒に切除することもあります。術後は細い糸で丁寧に縫合し、仕上げます。余分な皮膚が取り除かれることで、まつ毛が押し下げられることがなくなり、目を開けやすくなります。

眼瞼下垂の手術後、コンタクトの使用再開のタイミングは?

眼瞼下垂症の手術を受けた後、コンタクトレンズを再開するタイミングについてですが、少なくとも2~3ヶ月は使用を避けるべきです。

その理由は2つあります。第一に、手術後は創部の炎症をできるだけ早期に抑えることが重要です。炎症が長引くと瘢痕形成が進み、予定していた仕上がりにズレが生じる可能性があります。これが進行すると、完全に安定するまでに数年かかることもあります。術後すぐにコンタクトレンズを使用すると、装脱時に傷口に触れることになり、炎症が再発したり、傷が開いて治癒が遅れるリスクが高くなります。

次に、眼瞼下垂手術では、眼瞼挙筋腱膜を瞼板軟骨に縫い付けて固定しますが、術後しばらくの間はその固定が不安定です。この時期に瞼を引っ張るようなことがあると、腱膜が外れる危険性があります。そのため、傷が治るまでの期間は、安定させるためにコンタクトレンズの使用を控えることが推奨されます。

さらに、コンタクトレンズ自体が眼瞼下垂の原因となることがあり、手術後に再発のリスクを高める可能性があります。眼瞼下垂の再発を防ぐためにも、コンタクトレンズの使用はできるだけ控えることが望ましいです。

まとめ

若い頃からハードコンタクトレンズを長期間使用している方は、眼瞼下垂のリスクが高いため気を付けましょう。

「瞼が重く感じる」「上の視界が見づらい」といった症状が現れた場合、まずは眼科を受診して、目の病気がないか確認しましょう。見た目の改善を希望する場合は、美容外科での手術が効果的です。

眼瞼下垂は放置すると症状が悪化することがあります。お悩みの症状がある場合は、早めに当院までご相談ください。