
ボトックス注射は、額や目尻のシワ取りとして広く利用されている人気の美容治療です。
一方で、「施術後に一重瞼になった」「瞼が重くなった」といった声を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
ボトックスは比較的安全性の高い治療とされていますが、せっかく受けるなら、後悔のない結果を得たいものです。
本ページでは、ボトックス注射が原因で眼瞼下垂が起こる理由や、症状がどれくらい続くのかを詳しく解説します。
加えて、施術による眼瞼下垂を防ぐためのポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ボトックス注射とは
ボトックス注射は、ボツリヌストキシンという成分を含む薬剤を筋肉に注入し、その動きを一時的に抑える治療法です。表情筋の緊張を和らげることで、額や目尻などにできるシワを目立ちにくくする効果が期待されています。
この作用を利用して、表情ジワの改善だけでなく、美容目的で様々な部位にも応用されています。例えば、エラの張りを和らげてフェイスラインをすっきり見せたり、ふくらはぎを細く見せたりするためにボトックスが使用されることもあります。
効果は一般的に3〜6ヶ月ほど持続します。継続して効果を得たい場合は、数ヶ月ごとに医師と相談のうえで定期的な施術を受けるのがお勧めです。
ボトックス注射で眼瞼下垂が起こる原因
ボトックス注射によって眼瞼下垂になる背景には、いくつかの要因が考えられます。
元々瞼のたるみが強い方や、眼瞼下垂の傾向がある方は、特に注意が必要です。
また、使用する薬剤の量や注射部位が適切でない場合も、瞼が下がるリスクを高めます。
特に注意すべき部位は、額や眉間への注射です。
次の項目では、それぞれの部位でなぜ眼瞼下垂が起こるのかについて詳しく解説します。
額にボトックスを打つ場合
額へのボトックス注射は、元々眼瞼下垂の傾向がある方にとって、症状を悪化させる可能性があります。
ボトックスは、筋肉の過剰な動きを抑えることでシワを目立たなくする治療ですが、額の横ジワの原因となる前頭筋もその対象になります。前頭筋は、目を見開く際に使う筋肉です。
眼瞼下垂や瞼のたるみがある人は、この筋肉を無意識に過剰に使って目を開こうとする傾向があります。そのため、ボトックスによって前頭筋の動きが弱まると、瞼を持ち上げにくくなり、結果的に目が開きにくくなることがあります。
額にボトックスを検討している場合は、あらかじめ眼瞼下垂の有無を確認しておくことが大切です。
眉間にボトックスを打つ場合
眉間のシワ改善には、通常、鼻根筋や皺眉筋といった筋肉にボトックスを注入します。
ただし、薬剤が周囲の筋肉に広がってしまうと、思わぬ副作用を招くことがあります。特に、目を開けるときに使われる前頭筋や上眼瞼挙筋にまで薬剤が影響すると、瞼の動きが悪くなり、眼瞼下垂の症状が現れることがあります。
注射後すぐにマッサージをしたり、美顔器を使用したりすると、ボトックスが予定していた部位からずれて作用してしまう恐れがあるため、施術後のケアには十分注意が必要です。
なお、眉間へのボトックス注射による眼瞼下垂のリスクは、額への注射に比べると比較的低いとされています。
眼瞼下垂以外の副作用
眉がつり上がる
ボトックス注射によって、眉の外側が不自然に引き上がり、つり上がったような表情になることがあります。
「人相がきつく見える」といった声も多く、ボトックス施術における代表的な失敗例の1つとされています。
表情が乏しくなる
ボトックスを過剰に注入すると、表情筋の動きが抑えられすぎてしまい、顔の動きが乏しく見えることがあります。特に、額(前頭筋)、眉間(鼻根筋・皺眉筋・眉毛下制筋)、目尻(眼輪筋)などの筋肉を広範囲にブロックしてしまうと、顔の上半分の表情がほとんど動かなくなり、下半分の筋肉の動きだけが目立ってしまいます。
このような状態になると、自然な表情が失われ、見た目に違和感を与えることがあります。
左右のバランスが崩れる
ボトックス注射では、左右の筋肉に同じ量を注入しても、効果の出方に差が出ることがあります。これは、注射の位置がわずかにずれていたり、注入の深さや角度に微妙な違いがあったりするためです。
また、元々左右の筋力に差がある場合、それがボトックスの影響によって強調されることもあります。例えば、左右の筋力が60:50だった場合、ボトックスでそれぞれの筋力が40ずつ低下すると、結果的に20:10となり、筋力差がより目立つようになります。
さらに、ボトックスの効き始めには個人差や時間差があるため、施術直後は一時的に左右差が出ることもありますが、時間の経過とともに落ち着いてくるケースも少なくありません。
目袋が強調される
下瞼のシワを改善するために、下眼瞼へ繰り返しボトックスを注入すると、眼輪筋の力が徐々に弱まってしまいます。その影響で、眼球の奥にある脂肪(眼窩脂肪)が前方へ押し出されやすくなり、いわゆる「目袋」が強調されてしまうことがあります。
このように、筋肉の動きを抑えるボトックスの効果が、結果的に目の下のたるみや膨らみを目立たせてしまうケースもあるため、施術部位や頻度には注意が必要です。
ミッキーマウス様顔貌
笑ったときに目元が動かず、口元だけが笑っているように見える状態を「ミッキーマウス様顔貌」と呼ぶことがあります。この表情は、特に顔全体で大きく笑うタイプの方に見られやすく、男性に多く見られる傾向があります。
主な原因は、目尻へのボトックスを過剰に注入することで、眼輪筋の動きが完全に抑えられてしまうことです。
本来であれば、笑顔の際に目元と口元が連動して表情が作られますが、眼輪筋が動かなくなることで、目の周りが無表情なまま口元だけが動く、不自然な笑顔になってしまいます。
ボトックス注射後の違和感はどれくらい続く?
ボトックス注射後、注入部位に重だるさや違和感を覚えることがあります。
これは一時的な反応であり、多くの場合、2〜4週間ほどでボトックスの効果が安定するにつれて自然に治まっていきます。
副作用が現れた場合は元に戻る?
ボトックスは一時的な効果を持つ治療であり、通常は3〜6ヶ月ほどで効果が薄れていきます。そのため、理想的な状態を保つには、定期的な施術が必要です。
副作用が生じた場合も同様に、時間の経過とともにボトックスの効果が弱まることで、徐々に症状は改善していくのが一般的です。
眼瞼下垂の副作用を防ぐには
ボトックス注射はダウンタイムが少なく、気軽に受けられる美容施術として人気があります。
しかし、ボトックスの作用や注意点を十分に理解せずに受けると、瞼が下がるなどの副作用が生じるリスクもあります。
以下では、ボトックス注射によって眼瞼下垂を引き起こさないために、施術前に知っておきたい予防策について解説します。
注入量を控えめにする
ボトックスは、注入量が多すぎると必要以上に筋肉の動きを抑えてしまい、意図しない箇所にまで影響が及ぶことがあります。
その結果、効果が強く出すぎたり、副作用が生じたりする可能性もあります。
特に、元々眼瞼下垂の傾向がある方は、施術後に症状が目立ちやすいため、注意しましょう。
不安がある場合は、あらかじめ注入量を少なめに調整してもらうことをお勧めします。
自分の状態に合った適切な量で施術を受けることで、思わぬトラブルを防ぎやすくなります。
額の上部に注射してもらう
額へのボトックス注射で眼瞼下垂が起こる原因の1つは、眉に近い部位の筋肉に薬剤が効いてしまうことです。
そのため、注入位置を額の上部にずらすことで、瞼を持ち上げる筋肉への影響を避けやすくなり、副作用のリスクを減らすことができます。
ただし、眉から離れすぎると、額のシワ改善効果が十分に得られない可能性もあるため、注入位置の見極めには医師の技術と判断力が求められます。
ヒアルロン酸注射への切り替えを検討する
ボトックスによる副作用が心配な方には、ヒアルロン酸注射という選択肢もあります。
この治療は、シワやたるみが気になる部分にヒアルロン酸を直接注入し、肌にふくらみを持たせることでシワを目立ちにくくする方法です。
ボトックスのように筋肉の動きを抑えるわけではないため、瞼に影響を及ぼす心配はほとんどありません。
なお、ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されていくため、効果は一時的で、再びシワが目立つようになることがあります。また、シワの深さや部位によっては、ヒアルロン酸だけでは十分な効果が得られない場合もあるため、治療方法については医師とよく相談して決めることが大切です。
眼瞼下垂や瞼のたるみは先に治療を
ボトックス注射を検討している方の中で、元々眼瞼下垂の症状がある場合は、基本的に施術はお勧めできません。
施術によって症状がはっきりと現れたり、悪化したりするリスクが高いためです。
それでもボトックスを受けたい場合は、先に眼瞼下垂や瞼のたるみを改善する治療を行っておくことが望ましいでしょう。
あらかじめ瞼の状態を整えておくことで、ボトックス後に眼瞼下垂を引き起こすリスクを軽減できる可能性が高くなります。
信頼できる医師に施術を任せることが重要
ボトックス注射は、メスを使わずに行えるため比較的手軽な治療として知られていますが、実際には医師の経験や技術が問われる繊細な施術です。
顔の骨格や筋肉のつき方は個人差があるため、注射する部位や薬剤の量は個々に合わせた判断が求められます。
そのため、施術を受ける際は、知識と経験を豊富に持ち、注入技術に長けた医師が在籍するクリニックを選ぶことが大切です。
事前にクリニックの公式サイトで医師の経歴や症例実績を確認し、口コミや評価なども参考にして、慎重に選びましょう。
ダウンタイム中の注意点を守ることが大切
ボトックス治療は、メスや高温の機器を使用しないため、ダウンタイムがほとんどなく、施術後すぐに日常生活へ戻ることが可能です。
ただし、医師から指示された注意事項を守らなければ、腫れやむくみが出たり、薬剤が意図しない部位に広がって瞼が重くなるなどのリスクが生じる可能性があります。
施術後に気をつけるべきポイントについては、次の項目で詳しくご紹介します。
治療直後は横にならず安静にする
ボトックス注射を受けた直後は、少なくとも4時間は横にならないように注意が必要です。
横になることで、注入された薬剤が本来の位置から周囲に広がってしまい、意図しない部位の筋肉まで抑制される恐れがあります。
その結果、期待していたシワの改善効果が薄れるだけでなく、副作用が出るリスクも高まります。
施術後は椅子に座るなどして、静かに安静に過ごすことを心がけましょう。
注射部位を揉まないようにする
ボトックス注射後は、最低3日間は注射部位を揉んだり、マッサージしたりするのは避けましょう。
強く触れることで、薬剤が予定外の場所に広がり、思わぬ部位に作用してしまう恐れがあります。
スキンケアの際も、患部を強く擦らず、優しく塗るように意識してください。
飲酒や激しい運動は控える
ボトックス治療後は、体温の上がる行為を避けることが重要です。特に、飲酒や激しい運動は治療後3日ほど控えるようにしましょう。
ボトックスに使用される薬剤は、熱によって変質しやすく、体温が上がることで定着しにくくなる場合があります。
また、アルコールは血管を拡張させ、薬剤の広がりを助長してしまう恐れもあります。
より安定した効果を得るためにも、治療後は安静に過ごすことを心がけましょう。
まとめ
元々眼瞼下垂の傾向がある方や、瞼のたるみが強い方は、ボトックス注射によってその症状が顕著になる可能性があります。
また、施術前に自覚症状がなかった場合でも、注射部位の選定や薬剤の量が適切でないと、施術後に眼瞼下垂が起こることがあります。
こうしたリスクを防ぐためにも、信頼できる医師やクリニックを選ぶことが非常に重要です。
不安がある方は、事前にしっかりと相談し、自分の状態に合った施術を受けるよう心がけましょう。
